神原 綾子(かんばら あやこ)
ニューヨーク大学大学院医療政策・病院経営プログラム(US News, World Reportのランキング全米No.1)にてPh.D.(博士号)取得を目的とする海外留学。専門分野(program specialization)は医療経済学・医療ファイナンス・応用統計学であり、医療分野の数量研究(quantitative health research)スキルとアカデミックレベルの英語力を身に付けることを目的とする
岡村 世里奈(おかむら せりな)
これまで高齢者の医療・介護保障制度の在り方について法律学の観点から研究をしてきたが、このたび、この分野で先駆的な役割を果たしている大学研究機関より、客員研究員として勉強する機会を与えられたため、貴財団による派遣を希望する次第である
赤沢 学(あかざわ まなぶ)
米国では、実際の医療現場における医薬品の臨床効果並びに費用に関する検討を行うため、医療関連の大規模データベースを用いた研究が注目されている。私は、これらの研究に不可欠な臨床疫学、医療統計、医療経済の知識を深めると共に、博士論文研究を通して、多変量解析モデルや時系列分析など、より高度な医薬品の経済評価に関する研究手法を学ぶ
野崎 智恵子(のざき ちえこ)
ミシガン大学高齢虚弱者研究センターは、COEを取得し、国際的な痴呆老人のケアの学際的な研究を推進している。大阪大学大学院医学系研究科牧本研究室は当センターとの共同研究を開始しており、申請者は博士号を取得する目的で研究プロジェクトに参画する。当研究センターにおいて国際的に活躍している研究者と共同研究を行うことは、申請者の研究者としての成長に大きく貢献するものと思われる。研究成果として、日米の痴呆高齢者のケアの相違と徘徊行動との関連を調査し、ケアの質の改善と徘徊行動の軽減が期待できる
関 なおみ(せき なおみ)
地域機関病院での臨床経験や特別区保健所における勤務経験から、広域化、複雑化している現在の感染症対策についてはわが国においても早急な調査研究や対策施策提言が必要であることを実感した。公衆衛生発祥の地である英国において感染症の実地疫学について学び、調査の基本と実践能力を身につけることは重要と思われる。これにより、一般対策が及びにくく問題となりつつある社会的弱者集団の新興・再興感染症対策に提言を行っていきたい
佐竹 直子(さたけ なおこ)
現在日本において地域精神医療の充実が求められており、今後そのシステムの構築に積極的に関与したいと考えております。今回その先進地域であるカナダ・バンクーバーの精神医療・福祉システムについて現地で学び、特に総合病院精神科に求められている役割、精神科急性期医療と身体合併症医療についての調査を行い日本の現状と比較し、今後の日本の総合病院精神科の地域精神医療における具体的な方向性について検討したいと思っております
齋藤 明子(さいとう あきこ)
米国における医師主導治験の運営(デザイン、質管理、統計解析、制度)の現況を学ぶため
岩田 太(いわた ふとし)
医療生命倫理と法をめぐる現代日本の特徴は、例えば、同じ臓器移植であっても生体間移植には法律による規律はないのに対して、脳死移植には厳格な法の規制が存在すること、また、合衆国ではほとんどない過失による医療ミスを刑事訴追することなど、医療に対する法の介入・関与の仕方に一貫した理論や政策を見出すことが困難なことである。そこで、豪州の経験を題材に、私は、日本の医療生命倫理における法の適正な関わり方を再検討したいと考え留学を志している。豪州における医療と法の議論は、以下の2点で興味深い。第1に、医療事故の防止、生殖補助医療などに先進的な取組みをしてきたにもかかわらず、合衆国についてとは異なり、従来日本の法学者が十分研究してこなかったこと、第2に日本同様、専門家や(州)政府が依然として主導的な地位を占めることである。従って、豪州との比較研究は日本に重要かつ応用可能な視点を提供しうると考える。より具体的には、一般にイメージされる事後的に制裁を課す法の役割を超えて、例えば、医療事故や患者の診療情報などを含め、医療に関する情報の秘匿・保護、または、開示に際して、専門性ゆえに閉じがちな医療の世界に社会の視点を提供し、いわば医療と社会の利害を建設的な形で調整し、繋ぎ合わせるという法の機能を検討する。
別府 文隆(べっぷ ふみたか)
国内では研究取り組みが大変希薄な、マスメディアを活用した医療情報提供のあり方(医療コミュニケーション)を考えるために、この分野が発展している米国、英国、豪州(受け入れ次第)などにおいて、その現状を知り医療情報提供の視点から、日本における政策や実際のノウハウを獲得するのが目的です。インフォームドコンセントの充実や先端医療・生命倫理など政策決定上必要な議論のためにも、一般市民のための情報源を整備することが急務です。その1つとしてマスメディアがどのように活用していけるのかを考えていきたいのが動機です
渡邊 朱美(わたなべ あけみ)
欧米では、臓器移植医療は日常の医療として確立されている。現在の本邦では脳死が十分なコンセンサスが得られているとは言い難く、特異的に生体臓器移植が進歩しているが、今後本邦においても臓器移植医療が日常的医療の仲間入りをするであろう。利他行為のもと成立する臓器移植という治療法を先端医療技術としてだけではなく、倫理社会的問題としてどう取り組んでいくかを考えなければならず、また死生観も問われることになる。これらの特殊性により新たな研究課題と、看護領域が生み出され求められている。しかし、心の変遷についての研究は未開発であり、迷いや苦悩に対してどのような援助が効果的なのかも明らかにされていない。そこで、このような背景の中、多くの実績を有する米国の移植医療における心理社会的支援について着目し、日米の比較検討をしながら我が国における専門的な精神的ケアのあり方を学びたい