ヘルスリサーチについて

ヘルスリサーチの役割と意義

日本においても、生命科学の発達、複雑化する医療行政、患者の医療参加、社会の情報化・国際化などの要因によって、生物医学研究の成果と実践される医療の間の乖離が大きくなる傾向にあります。現在、こうした乖離を起こさないための研究が非常に重要となり、ヘルスリサーチの役割がますます大きくなっています。
 今日、ヘルスリサーチは、「日本の全ての医療の受け手が望ましい医療を享受できるように、医療を構成する要素を、個々の受け手のQOLの観点から統合し、これら一連の関連要素を効率的・効果的な社会システムとして方向付けする学問」と位置付けられます。具体的には「医療の受け手が何を望んでいるのかを把握し、同時に、問題の発見ができるよう受け手の状況と置かれた環境を解明し、その上で、最先端の医学・健康科学の成果を最も効率的な方法で受け手に届け、あるいは最も適切な利用方法を開発して、その方法を受け手が採用できるように環境と整える」というプロセスによるもので、そこではあくまでも医療の受け手側主体の研究姿勢が求められます。